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2019年 学長年頭所感

2019年01月01日

朝日大学 学長 大友克之

新しい年を迎えて

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 平成がいよいよ終わろうとしています。皆さんにとって、どんな平成年間だったでしょうか。平成30年(2018年)は大雪、豪雨、台風、記録的な猛暑、そして地震と自然災害が続きました。昭和20年(1945年)の太平洋戦争終結後、「戦後復興」の旗印の下で、社会資本の整備が急速に進みました。あれから70年以上が経過しましたが、災害のたびにインフラの老朽化が顕在化しました。
 わが国にとって戦後と言ったらいつ頃までを思い浮かべますか? 中学生時代に戦争を経験した80歳代後半の男性に伺ったところ「昭和39年(1964年)の東京五輪」という返事を頂戴しました。浜松市で米軍の空襲に遭い、防空壕へと逃げ込み、目覚めたときには下宿の叔父さんが爆死していた。焼夷弾が降りしきる中を、壕へ入る前に下宿へ戻って取りに行ったものは学校の教科書。それも下宿に上がる前にしっかり靴を脱いで二階へと上がった。これから焼け落ちるであろう家屋へ入るにあたってわざわざ靴を脱ぐ必要もないのに。そんな経験から、東京五輪を目にしたときに、日本がやっと国際社会に復帰したと感じたそうです。
 戦後生まれの50代女性の答えは、わが国が高度成長期に入ったとき、と。高度成長がいつ始まったかには諸説ありますが、概ね第一次鳩山内閣が立ち上がった昭和29年暮れからと考えるのがよいようです。「もはや戦後ではない」という言葉が昭和31年度(1956年)の経済白書の序文に載りました。
 私は沖縄の米軍基地問題や、憲法改正に向けた議論、北方領土返還交渉、日韓関係の悪化の報に接するたびに、未だ戦後は終わっていないと感じています。私たちは、明治、大正、昭和、そして平成と歩んできました。この春の新しい年号の到来は、ひとつの区切りとも言えますが、すべては連続した時の流れのなかにあり、過去を振り返り未来を創造する、そんな気持ちでこの国の未来を、若き学生諸君に託して参りたいと思います。
 本年もご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。